児童養護施設羽曳野荘は、終戦後、養護施設を卒業した子どもの職業訓練を目的に設立されました。当時は、中学卒業後、社会に巣立つのですが、中々職場への定着ができませんでした。その原因は、子ども達が社会に巣立つ準備ができていないとし、手に職を付けてから社会におくりださなければいけないと判断しました。そこでは「為すことによって学ぶ」「生活即学習」の基本理念に基づき、子どもと職員が、田畑を耕し、木工、裁縫等の生活実践を行ってきました。平成24年まで生活した建物は、卒業生が設計した建物でした。また、学校から帰宅して、また学校のような生活はいけない、家庭に近い生活の実現を目標に、子ども達の数も28名と、家庭を意識した生活にこだわりました。
時代の変化とともに、施設で生活する子ども達の状況もさまざまですが、これまでの生活実践を大切にしながら、子ども達がまずは安心安全で日々生活が送れること、それぞれの年齢発達に応じた養育支援が受けられること、そして子ども達の夢の実現ができる施設を目指し、子ども達・職員とで「穏やかに暮らそう」をテーマに取り組んでいきたいと考えております。
また、近隣住民の皆様、地域にとっても必要な福祉施設として、ショートステイ事業、生活困窮者レスキュー事業、子育て相談、子育てひろばなど、さまざまな取り組みを行っていきます。社会・地域で困っている子ども達をはじめ、地域の皆さんとともに少しでも「幸せな暮らし」を作るお手伝いをさせていただきたいと考えています。